台風・大雨等における気象警報等の種類と避難行動について

更新日:2022年08月02日

大雨警報(浸水害)と洪水警報の違い

大雨警報(浸水害)と洪水警報の違いについて知っていますか?
同じようなものだと、漠然と認識している人が多いように思います。
実は、浸水害と洪水は全く異なるものであり、発生する地域も変わってきます。
避難行動を必要とする場面において、「何が危険か」を間違えたまま行動することは、命に関わります。
このページでは、特に避難行動を要する風水害の気象警報等について理解を深められるよう説明します。

内水氾濫と外水氾濫について

警報種別の違いを確認する前に、内水氾濫と外水氾濫の違いを説明できますか?
大雨警報(浸水害)と洪水警報の違いは、この内水/外水の違いとも大きく関わっています。
以下の図を見てください。

一般的な河川モデルとして、地上に降った雨水が地中の排水路を通って河川に流れていく構造を想定します。
この河川モデルを基に、内水氾濫と外水氾濫の違いについて整理しましょう。一般的な河川モデル

内水氾濫

内水氾濫は、短時間の強雨により排水路や地面が持つ排水能力が不足して発生する浸水害です。
必ずしも河川の周辺でのみ発生するとは限らず、川から離れた窪地等、様々な場所で起こりうることに注意が必要です。
河川の増水によるものではないため、大雨警報(浸水害)の対象になります。

内水氾濫

 

湛水型内水氾濫

内水氾濫と外水氾濫の間に、「湛水型内水氾濫」があります。
これは、排水路の排水能力や堤防に問題がなくても、排水先の河川の水位が上昇したことで排水ができなくなり発生する浸水害です。特に、堤防が高くなっている場所で発生しやすいです。
河川の増水が原因であるため、洪水警報の対象になります。

湛水型内水氾濫

外水氾濫

外水氾濫は、河川の水位が増したことで堤防を越流、又は堤防が破損(破堤)することにより河川の水が地上に溢れ出す浸水害です。
これも河川の増水が原因であるため、洪水警報の対象になります。

外水氾濫

内水氾濫・外水氾濫の違いと大雨警報(浸水害)と洪水警報の違い

以上の内容をまとめると、下表のようになります。

氾濫形式と対応する警報
名称 原因 対応する警報 発生しうる場所
内水氾濫 排水能力不足 大雨警報(浸水害) どこでも
湛水型内水氾濫 河川の水位上昇による
排水不能
洪水警報 河川周辺
(堤防の高い場所)
外水氾濫 河川の水位上昇による
越水・破堤
洪水警報 河川周辺

 

台風・大雨等における気象警報等の種類と避難行動について

台風・大雨等の際に気象庁が発表する気象警報・警戒情報等は、重大な災害が発生する恐れのある時に発表されます。
気象警報・警戒情報等が発表された時に、どのような行動を取るか日頃から確認しておき、いざという時に慌てず行動できるよう備えておきましょう。
このページでは、特に避難行動を要する台風・大雨等の気象警報等について説明します。

大雨(特別)警報

大雨(特別)警報とは?

大雨による重大な土砂災害や浸水害が発生する恐れがあるときに大雨警報が発表されます。
大雨警報は警戒する事象によって次のように分かれています。
・ がけ崩れ等の土砂災害の恐れがある場合は「大雨警報(土砂災害)」
・ 雨等により低地や田畑への浸水害の恐れがある場合は「大雨警報(浸水害)」
・ 両方の恐れがある場合は「大雨警報(土砂災害、浸水害)」
雨が止んだ後も、地中に含まれる水分量が多い等、災害発生の恐れがある場合は解除されません。
なお、警報の基準をはるかに超える数十年に一度レベル(数十年に一度ではない。)の降雨量が予想される場合には大雨特別警報(「大雨特別警報(土砂災害)」等)となります。
 

大雨(特別)警報に対する行動

以下のフローチャートを参考に行動方針を決めてください。

※ 屋内安全確保とは、想定浸水深よりも高い階、崖と反対側、家の頑丈な場所といった、立ち退き避難ができない場合に、少しでも命が助かるよう安全が確保できる場所の事です。

洪水警報

洪水警報とは?

河川の上流域での大雨や融雪によって下流域で生じる増水や氾濫(湛水型内水氾濫/外水氾濫)により重大な洪水災害が発生する恐れがある場合に「洪水警報」が発表されます。
対象となる事象は、河川の増水・氾濫及び堤防の損傷・決壊、並びにこれらによる重大な浸水害です。
なお、洪水には特別警報はありません。

洪水警報に対する行動

大雨警報(浸水害)と同様に、上のフローチャートを参考に行動方針を決めてください。

暴風(特別)警報

暴風(特別)警報とは?

暴風により重大な災害が発生する恐れがある場合に「暴風警報」が発表されます。
なお、警報の基準をはるかに超える数十年に一度レベル(数十年に一度ではない。)の暴風が予想される場合には「暴風特別警報」となります。

暴風(特別)警報に対する行動

暴風下で屋外に出るのはたいへん危険です。今は静かであっても突風が吹く可能性もありますので、警報が発表されている時は外に出ず、屋内で安全確保をしてください。
暴風で窓が割れると、吹き込んだ風により屋根が持ち上がり家そのものが破壊される恐れがありますので、注意してください。
事前にできる備えとしては、雨戸を閉める、窓を養生テープで補強する等の対策が可能です。
風水害はある程度予測が可能であり、情報が早くから流れます。テレビ等からの情報にも注意しましょう。
また、警報がでて身動きが取れなくなる前に自宅の備えや避難行動を完了できるよう、早めの情報収集と避難を心がけましょう。

高潮(特別)警報

高潮(特別)警報とは?

台風や低気圧等による異常な潮位上昇により重大な災害が発生する恐れがある場合に「高潮警報」が発表されます。
なお、警報の基準をはるかに超える数十年に一度レベル(数十年に一度ではない。)の高潮が予想される場合には「高潮特別警報」となります。

高潮(特別)警報に対する行動

現在、高潮による浸水想定区域図は作成中であり、有効な地図は存在しません。海抜が低い等、自宅が危険と判断される場合は避難行動をお願いします。

記録的短時間大雨情報

数年に一度程度(数年に一度ではない。)しか発生しないような短時間の大雨を観測した場合に「記録的短時間大雨情報」が発表されます。
記録的短時間大雨情報が発表された場合、その地域にとって災害につながるような稀にしか観測されない量の雨が降っているので、すでに災害が発生している恐れもあり、外の状況に注意して避難所までの移動が危険な場合は屋内での安全確保を図りましょう。

土砂災害警戒情報

大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で土砂災害がいつ発生してもおかしくないような状況になった場合に、対象となる市町村を特定して「土砂災害警戒情報」が発表されます。
気象庁ホームページの「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」で精細な区域が確認できますので、避難行動の参考にしてください。また、外の状況に注意して避難所までの移動が危険な場合は屋内での安全確保を図りましょう。

河川水位情報

伊東大川は、静岡県が管理する「水位周知河川」です。
「水位周知河川」とは、洪水予報河川以外の河川で、氾濫のおそれがある河川の水位情報を県民に提供する河川のことを言います。洪水予報を行う時間的余裕がないため、あらかじめ特別警戒水位(氾濫危険水位)を定めており、水位が特別警戒水位(氾濫危険水位)に達したとき、県から市へ水位情報が通知されます。市は、県からの情報に基づき、特別警戒水位(氾濫危険水位)を目安に、状況に応じて避難情報(避難指示)を発令します。


なお、伊東大川以外の河川についても水位やライブ映像を「静岡県サイポスレーダー」で確認が可能です。台風接近時や大雨が予想される際は、積極的に活用しましょう。

 

※洪水予報河川とは、2以上の都府県の区域にわたる河川その他の流域面積が大きい河川で洪水により国民経済上重大な損害、相当な損害を生ずるおそれがある河川として国土交通大臣もしくは都道府県知事が指定したものを言います。

台風・大雨時に参照するホームページ等

避難所について

警報等が発表され、避難所が必要と判断した場合は、市が避難所を開設します。
伊東市総合防災ガイドブックには、指定避難所の一覧が掲載されていますが、台風等風水害に対しては、その状況により一部の避難所を指定して開設します。開設する避難所は市から情報発信しますので、確認の上で避難行動をしてください。

この記事に関するお問い合わせ先

危機対策課 危機対策係

〒414-8555
静岡県伊東市大原2-1-1
電話番号:0557-32-1361・1362
危機対策係へメールを送信する

危機対策課のメールアドレス kikitaisaku@city.ito.shizuoka.jp