所信表明(2017年6月12日)
2017年6月市議会定例会の開会に当たり、所信を申し述べさせていただく機会をいただきましたことに厚くお礼を申し上げますとともに、市政運営について、私の決意の一端を申し述べさせていただきます。
この度の市長選挙におきまして、市民各層の皆様方からのご支援を得て当選の栄に浴し、市制施行70周年の記念すべき年に第19代伊東市長として市政のかじ取りを担える喜びを感じるとともに、その責任の重大さに身の引き締まる思いであります。
また、選挙戦を通していただきました多くの励ましやご支援に対し心から感謝を申し上げるとともに、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を切にお願い申し上げるものであります。
私は、伊東市選出の県議会議員として3期8年間、「これまでも これからも 有言実行!! みんなとともに」を基本理念として、数々の県議会委員長等の要職を経験する中で観光産業の発展や社会基盤の整備等に尽力してまいりました。
今後も変わらずこの思いを持ち続け、県議として働き築き上げた人脈や実績を最大限に活かすとともに、自らの経験と信念を持って市政運営を行ってまいります。
さて、勇退されました前伊東市長佃弘巳氏は、3期12年間にわたり市長職を務められ、その間、市財政を立て直し「伊東再生」を成し遂げられました。
さらに、伊東市民病院の開院を始め、環境美化センター焼却炉の更新改良、教育施設の耐震化、中学校給食の完全実施、そして、先日オープンしました伊東市健康福祉センターの建設など、市民の皆様の期待と要望に応えた施策を進められるとともに、長く低迷していた競輪事業を見事に立て直し、一般会計への繰出しを行えるまでにするなど、その優れた政治的センスをいかんなく発揮された功績は極めて大きなものであり、深甚なる敬意を表すものであります。
私は、佃前市長が築き上げられた成果と「未来協知」に込められた思いをしっかりと引き継ぎつつ、また、変えていかなければならないと判断したものについては前例にとらわれることなく変えていき、市政の更なる発展に邁進していく所存であります。
加えまして、佃前市長の先代の市長であります故鈴木藤一郎氏におきましては、職責を全うするために命を賭して強固たる政治姿勢を貫かれました。
私は、鈴木氏の政治信条であります「協調と調和」の精神を引き継ぎ、全ての皆様の融和を理想とし、さらに、私自らの信念を揺るぐことなく、伊東市民の福祉の向上と生活環境の改善に向け全力で邁進してまいります。
それでは、今般の市長選挙におきまして、「伊東の魅力を発信し、文化力を高め、観光の振興と産業の育成によって、みんなが夢を形にできる未来を拓く」ために約束させていただきました主要な施策につきまして、大きな3つの柱ごとに申し述べさせていただきます。
1本目の柱は、「みんながつくる伊東市」であります。
まちづくりの主役は、まさに「市民の皆様」であります。
今まで行政に届きにくかった若い世代の声や伊東を選んでくださった移住者の方々の新しい視点からの声、地域の伝統文化を継承、推進していただいている方々の声などを、私自らが直接市民の皆様のもとへ出向いて聴き、そして、本音で語り合い意見交換をする中でしっかりと吸い上げ市政に活かしていくため、「未来ビジョン会議」と「地域タウンミーティング」を設置し、ボトムアップ方式による市政運営を目指してまいります。
また、豊富な経験や知識、技能を持つシニア世代の方々にも市政に参画していただけるよう、シニア世代が活躍できる社会参画の場を創設し、より多くの世代の市民が集えるような仕組みづくりを進めてまいります。
このほか、できるだけ市民の身近である市役所で事務が完結できるよう、県から市への権限移譲を積極的に進めるなど行政のシステムを見直し、行政サービスのスピードアップを図ってまいります。
また、伊東の豊かな魅力を見直し、景観や芸術文化を活用した「滞在型リフレッシュリゾート」を南部地域に実現し、現代社会での生活におけるストレスなど未病への対応として、本市の自然や文化に触れ、心身を癒す、環境と融合した新しい湯治場の形を創造してまいります。
2本目の柱は、「みんなが楽しい伊東市」であります。
活力ある地域社会や心豊かな市民生活の実現に向け、観光振興や文化・スポーツの振興は欠かせないものでありますことから、入湯税の全てを観光に関連する事業の経費に充てることで観光施策の充実を図り、市民の皆様の夢を叶える地域振興戦略に挑戦してまいります。
そのための施策の1つ目として、「にぎわいの創出」を図ってまいります。
伊東駅から松川遊歩道、松川河口、オレンジビーチと市街地を含むエリアにおいて大勢の人々が交流し地域がにぎわうための施策を進めるとともに、人々が常に滞留するスポットを点在させ、観光客だけでなく市民の皆様も一年を通じ楽しく過ごすことのできる仕組みを構築してまいります。
特に、本市の玄関口である伊東駅周辺における整備事業の推進に当たっては、私自らが先頭に立ち、課題の解決に向け努力してまいります。
また、メディアを活用した観光戦略として、フィルムコミッションを積極的に推進し、私自らトップセールスによるドラマや映画の誘致を行い、本市の景勝地やまちなみ、観光スポット等を広く国内外に露出するなど、新たなシティプロモーションを展開してまいります。
さらに、観光客による消費の拡大に向け、六次産業化による魅力ある伊東ブランドの創出を図るとともに、滞在型の豊かな時を過ごすことのできる新たな伊東の魅力を発信してまいります。
2つ目として、「生涯スポーツのまち伊東」を目指してまいります。
特に、長年の懸案であったナイター設備付きサッカー場の建設に向けた準備を始めとして、陸上競技場や室内アリーナに係る建設計画の検討、既存のスポーツ施設の活用など、市民や来遊客が楽しくスポーツのできる環境の整備を進めるとともに、スポーツツーリズムによる新たな誘客を推進してまいります。
図書館・文化ホールの建設基本構想につきましては、市民の文化活動のサポートや文化力の更なる向上を図るため、利用者ニーズに合った市民目線で使いやすい施設となるよう調査、研究を進めてまいります。
3本目の柱は、「みんなが暮らす伊東市」であります。
私は、市民の皆様が描く夢や希望を形にしていくこと、そして、子どもたちや孫たちが誇りと自信の持てる郷土をつくり上げてまいります。
そのための施策の1つ目として、「子育て支援」の充実を図ります。
子育てのしやすいまちを目指し、子育て世代への支援策として、就学前の1年間の保育園・幼稚園の保育料を全額公費負担とするとともに、医療費の無料化を高校卒業まで拡充いたします。また、私が県議時代に尽力し少子化対策として立ち上げた、県のふじのくに地域少子化突破戦略応援事業を活用し子どもを産み育てやすい環境の整備を進めるとともに、通学費の補助なども進めてまいります。
2つ目の施策は、移住・定住施策として、美しい伊豆創造センターが運営する横浜のアンテナショップを活用し、くらしやすい伊東市の魅力を発信するとともに、移住促進プログラムの構築や市内企業に就職した場合の育英奨学金返済全額免除制度の創設に向けた検討、若者の起業支援等を進めてまいります。
また、健康寿命を延ばすため、介護予防事業や生涯スポーツ、生涯学習活動に参加しやすい仕組みを構築してまいります。
さて、伊東は、海、山、温泉、花、緑、そして山海の幸など非常に多くの地域資源に恵まれた美しく魅力あふれるまちであり、私は、これらかけがえのない「郷土の宝」をいつまでも大切にしてまいる所存であります。
一方で、現在、八幡野地区において100ヘクタールにも及ぶメガソーラーの建設が計画されております。
私は、地元が反対している本計画については、地元と同じく反対の考えであり、事業者とも誠実に向き合う中で、地元の意向に沿うよう、開発の見直しに向け、可能な限り努力してまいります。
以上、私の市政を担うに当たっての所信の一端を披瀝させていただきました。
市制施行70周年の記念すべき節目の年に、夢と希望を形に「未来を拓き」、有言実行で、市民が主役の明るい伊東をつくり上げていくため、私自らが先頭に立ち、全力で市政運営に当たってまいります。
結びに、市民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長就任に当たっての所信表明といたします。
2017年6月12日
伊東市長 小野 達也
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更新日:2020年04月29日